モルタル造形を塗装する際に必要な道具や塗料の選び方について解説
「モルタルを塗装するには何を用意すればいいの?」このような疑問にお答えします。この記事では、モルタル塗装に必要な道具や塗料の選び方、下塗り剤やトップコートの必要性について解説するので、ぜひ参考にしてください。
モルタル造形の塗装に必要な道具

塗装に必要な道具は下記のとおりです。
● 刷毛や筆
● ローラー
● スプレーガン
● 下げ缶
● マスカー
全て必要という訳ではありませんが、刷毛や筆、下げ缶だけは最低限必要です。
それぞれの使い方を具体的に解説します。
刷毛や筆
刷毛や筆は最低限必要です。刷毛や筆にも大きさや形など様々な種類があります。モルタル造形の大きさやデザインに合わせて選んで下さい。複数本用意できれば塗装する場所や色によって塗り分けができるので、作業効率が上がります。
毛先の素材も様々で、ポリエステルやアクリル系などの化学繊維でできているタイプや、馬や豚、ヤギの毛が使われている動物性のタイプがあります。一般的には化学繊維でできている物の方が価格が安くなる傾向があり、動物性の物の方が価格が高くなりますが耐久性に優れています。
また、使用する塗料によっても刷毛は使い分ける必要があります。水性塗料であればソフトで柔らかい物が適していて、油性塗料であれば溶剤にあった硬めのしっかりしたブラシが適しています。他にもラッカー用やニス用、目地用や隅切り用など用途に合わせて選択して下さい。
ローラー
広範囲を手早く塗りたいのであれば、ローラーが便利です。ローラーを使用する際は、一緒に底が浅く面積の大きいローラー皿を用意しましょう。ローラー皿に凹凸がついているタイプであれば、余計な塗料を落とせるので塗装の際に塗料が垂れるのを防止できます。
また、ローラーは塗装の際に気泡がついてしまったり、安いローラースポンジを使用するとスポンジの跡が残ってしまう可能性があるので、扱いには注意が必要です。他にも、ローラーを強く押し付けすぎると塗料が垂れてきたり、スピードが遅いと塗料がだまになってしまいます。
ローラーは広範囲を手早く塗るのには向いていますが、細い場所や細かい塗装には向いていないので、刷毛や筆と使い分けて使用してください。
スプレーガン
スプレーガンは塗料を空気圧で飛ばして霧状に塗装できる道具です。使用には技術が必要ですが、慣れるとかなり綺麗に塗装できるようになります。
塗料を霧状に飛ばすので広範囲の塗装はもちろん、ノズルを絞れば範囲が狭くなるので細かいデザインも描けます。また、グラデーションやぼかしを簡単に描けるのもスプレーガンならではのメリットと言えます。
しかし、扱いが少し難しく塗装場所との距離が近いと塗料が垂れてしまったり、反対に遠いと色ムラや想定していない場所にも塗料がついてしまう可能性があります。また、価格も少し高めなので、ある程度慣れてきたり色んなものを塗装する予定がある場合に購入を検討すると良いでしょう。
下げ缶
下げ缶とは、塗料のついた筆を入れたり、塗料を混ぜて色を作る際に使用するバケツを指します。使用するタイミングも多いので複数個用意しておくと便利でしょう。
また、塗料によっては下げ缶に付着した塗料を掃除するのに手間がかかる場合があります。下げ缶がプラスティック製の場合は、除光液で下げ缶自体にダメージや変形してしまう可能性もあります。そのため、下げ缶にかぶせるビニール袋があると掃除の手間が省けるのでおすすめです。
マスカー
マスカーとはマスキングテープと保護シートが一体になった道具です。もちろんマスキングテープと保護シートを別で用意しても問題ありませんが、ある程度の使用範囲が決まっている場合や面倒であればマスカーがおすすめです。
マスカーに限ったことではありませんが、シートの上は滑りやすく店頭の危険があるのと、テープ部分とシート部分が引っ付いて絡まりやすいので、扱いには十分注意してください。
モルタル塗装に使える塗料の選び方

モルタル塗装に使える塗料を選ぶ基準は下記のとおりです。
● 防水・防カビ効果がある
● 熱や紫外線に強い
● 弾力性がある
それぞれ具体的に解説します。
防水・防カビ効果がある
モルタルに塗装する場合は、防水・防カビ効果のある塗料がおすすめです。モルタルは吸水性が高く、水を含むとカビやコケの原因になったり、膨張と収縮を繰り返すとひびや破損の原因になるからです。
防水効果がない塗料であっても、上から防水・防カビ効果のある保護剤を塗れば問題ありませんが、2度手間になってしまうのと、保護剤によっては多少色の見え方に影響してしまう可能性があります。
そのため、塗装とモルタルの保護を同時にできる塗料であれば、手間や時間が短縮できて仕上がりも変化しないのでおすすめです。
熱や紫外線に強い
外壁や屋外に置く物に塗装するのであれば、熱や紫外線に強い塗料を選びましょう。塗料に含まれる「酸化チタン」が紫外線で「ラジカル」という劣化させる物質が生成されてしまうからです。街中にある古い看板の文字が劣化していて読めなくなるのと、同様の現象がモルタル造形でも起こってしまいます。
特に、赤や黄色などの彩度が高い色は、紫外線で色褪せやすいので注意してください。反対に、白や黒などのモノトーン系は紫外線の影響を受けずらいです。しかし、黒は熱吸収率が高いので、直接触れる部分で使用する際は気を付けてください。
弾力性がある
伸縮性のある塗料がおすすめです。モルタルは水分や気温の変化で、わずかながら伸縮しています。塗料に弾力性がないと、モルタルが伸縮した際に塗料が引っ張られるので、ひび割れや塗料がはがれる原因になってしまいます。
塗料にひびが入ったりはがれてしまうと、モルタルが露出してしまうのでモルタル自体が雨や紫外線の影響を受けてしまいます。特に、モルタルは吸水率が高いので塗れた状態が続くと、カビやコケ、モルタルのひび割れにつながってしまい、せっかくのデザインが台無しになってしまいます。
下塗り材やトップコート

下塗り剤やトップコートは必ず必要という訳ではありませんが、あった方が塗料がはがれずらくなったり、劣化を防いで長持ちさせる効果があります。
主な下塗り剤は下記のとおりです。
● プライマー
● フィーラー
● シーラー
どれも下材に塗って乾燥させてから塗料を塗りますが、下材の材質や塗装場所によって使い分けます。モルタルに塗装する際は、どれでも問題ありませんがシーラーが一般的です。ただし、フィーラーは粘度が高く外壁塗装の下塗りには向いていますが、細かい凹凸まで覆ってしまうので、造形が細かい場合は避けた方が良いでしょう。
トップコートとは、一番表面にくる保護を目的とした塗装です。紫外線や防水効果があったり、艶消し効果のある物など様々な種類があります。ただし、若干色味が違って見えてしまう可能性があるので注意してください。
まとめ

この記事では、モルタル造形の塗装について解説しました。
モルタル造形に必要な道具は下記のとおりです。
● 刷毛や筆
● ローラー
● スプレーガン
● 下げ缶
● マスカー
全て揃えなくても問題ありませんが、刷毛や筆と下げ缶くらいは最低限必要です。
次に、モルタル塗装に適した塗料の基準は下記のとおりです。
● 防水・防カビ効果がある
● 熱や紫外線に強い
● 弾力性がある
できれば全て満たしている塗料を選ぶと、劣化しづらく長持ちします。また、下塗り剤やトップコートは必ず必要な訳ではありませんが、あった方が塗料の剥離や劣化を防げるのでおすすめです。